壊疽の患部に無菌ウジ療法 副作用なく、切断を回避

http://kumanichi.com/iryou/kiji/diabetes/9.html

岡山大付属病院(岡山市)の三井秀也・助手(心臓血管外科)が、糖尿病による閉塞(へいそく)性動脈硬化症で足が壊疽(えそ)になった患者の足を切断せず、無菌ウジ療法で治すことに国内で初めて成功した。この治療法は麻酔を使わず、副作用もみられないため、床擦れなどの治療にも応用できるとみられる。

 無菌ウジ療法(MDT)は、糖尿病が進行した患者にみられる閉塞性動脈硬化症によって発生した潰瘍(かいよう)に、無菌ウジを置き、壊死(えし)した潰瘍をウジに食べさせて患部を洗浄、肉芽組織の増勢を促す治療法だ。オーストラリアやアメリカの先住民の間では大昔から知られていた。近代以降は、戦場で負傷した兵士の傷にウジがわいた方が早く治り、命も助かることが分かっていた。